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編纂の基本方針

1 対象時期

もとの『大阪編年史料』(明治34年から42年までの間に作成)で取り上げられている時期を対象とした。すなわち、既刊『大阪編年史』(神武天皇より慶応3年末までを対象、全27巻、昭和42年~昭和54年刊)の続きとなることを基本としたものであって、対象とする時期は明治元年1月1日から明治22年12月31日までの22年間とした。

2 新しい目標 《もとの『大阪編年史』稿本の欠を補うこと》

史料は、当初の『大阪編年史料』に採用されているものの外に、改めて可能な限り広く調査し、特に、旧三郷地域に限らず、現在の大阪市域及びその周辺を広く対象として網羅した。またその際には、行政的・政治的側面に止まらず、人間活動のあらゆる側面に注意し、市民の立場にも立ち、社会のあらゆる分野に視野がわたるよう努力した。
なお、現在の大阪市域とそこに住んだ人々の活動を知ろうとする立場に立って史料を撰ぶのであって、全国的な法令や、全般的な政治・経済などのありようを一般的に語る史料は省いた。もっとも、出来事の全国的意義を考察することを否定するものではなく、逆に、大阪の存在から言って、広く日本や世界の各地からも参照されるものとなるように努力した。全般に史料調査の能力と選択眼の向上が求められていた。

3 史料の配列と綱文の工夫  《事柄の正しい認識を可能とするため》

綱文の設定に細心の注意を払った。すなわち、出来事や状況の推移は一連の流れを有するものであって、いつの日のどのような出来事に注目して綱文を設定するかが重要であると考えた。また、一つの綱文のもとに可能な限り異なった立場からの複数の史料を探して配置し、その比較検討を通して事象の多面的な理解が可能となるよう配慮した。
時期の確定ができない出来事、あるいは状況を示す史料でも参考に供しておきたい場合には、掲載方法に工夫を加えて漏らさないようにした。その際、一定の時期を通してその動きを把握し、長期的な視点で検討できるように綱文をデータベース化し検索を可能として、全体的な流れが見えやすいように配慮した。
また、上記の要請に応えるためにも以下の諸点に十分な配慮を払った。すなわち、内容を要約する綱文は簡潔であることを追求したが、出来事の内容と歴史的な意味がわかるように可能な限り具体的に記述した。重要な役割を果たした個人や団体名はできるだけ記載した。出来事の主体(すなわち政府なのか、大阪府なのか、特定の団体なのか、個人なのか等々)を明瞭にするよう努力した。述語を適切に記述した。また、そのものの生じた場所も重視し、可能な限り町名等を記述した。
なお、幸田成友時代の古い綱文も上記の視点に立って書き改め、表記も現代的なそれに改めた。