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おおさか資料室
 

大阪に関するよくある質問


図書館に寄せられるよくお尋ねのある質問と回答をまとめてみました。
 
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質問桑津村環濠集落の跡について
回答 「環濠集落」とは村落全体を濠(ほり)で囲んだ集落のことで、室町・鎌倉時代の中世において、大和(奈良県)や摂河泉(摂津国・河内国・和泉国)の平野部に多く存在しました。近代以降は区画整理・宅地整備のため、濠は埋め立てられてしまいましたが、東住吉区の桑津5丁目あたりには近世から昭和のはじめまでの約400年間、環濠集落が残っていました。『桑津郷土史　第2集』*1のｐ24、25に掲載されている現在の桑津5丁目の写真を見ると、道路をへだてて土地の高さがちがう(外側の土地より、濠をへだてた内側の土地の方が高い)、道路が折れ曲がり見通しがきかない、という当時の集落のおもかげが残っています。
　一般に環濠集落がつくられる目的として、集落の自衛・保水潅漑・洪水対策の3つがあげられますが、桑津環濠集落は自衛の要素が強いのではないかと考えられています。『大阪の歴史　1983年4月/9号』*2のp121では、桑津環濠集落には集落の南口を攻めてきた敵に横から矢を射かけられるような「横矢掛かり」が設けられていた点、内部の道路も見通しを妨げるよう丁字路や袋小路が多いという点などをあげ、軍事的自衛を目的とした中世の環濠集落の特徴がよく現れているとしています。
参考文献*1『桑津郷土史　第2集』桑津郷土史研究会 1993 書誌ID 0070096805 p22〜25
*2『大阪の歴史　1983年4月/9号』 大阪市史料調査会 1983 書誌ID 5100000973　p117〜121「明治期地籍図にみる桑津環濠集落址」
『桑津郷土史』桑津郷土史研究会 1982 書誌ID 0000371010　口絵「宝暦十二年時代の桑津村古地図」
『東住吉区史』川端 直正/編 東住吉区創設一五周年四ヵ村編入三周年記念事業委員会　1961 書誌ID 0000301758 p58
『わたしたちの桑津　改定版』大阪市立桑津小学校 2001 書誌ID 0011366231　p104〜105
『東住吉区まちの名所・名物ノート』 東住吉区役所 2001 書誌ID 0010042511　p6
『033 桑津環濠（かんごう）集落』　http://www.city.osaka.lg.jp/higashisumiyoshi/page/0000033846.html　（2017年2月26日確認）　　
東住吉区役所トップページ　http://www.city.osaka.lg.jp/higashisumiyoshi/
東住吉区
遺跡および碑文
記入者:おおさか資料室管理者

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