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おおさか資料室
 

大阪に関するよくある質問


図書館に寄せられるよくお尋ねのある質問と回答をまとめてみました。
 
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質問下高野街道について
回答　高野山への参詣の際に人々がたどった道は高野街道と呼ばれました。大阪方面からのものもいくつかあり、その一つが東住吉区内を縦断する下高野街道でした。　
　『大阪府史』*1によると、起点は「南河内郡野田村大字北野田廿山街道」、終点は「東成郡天王寺村大字天王寺大阪市界」で、現在の大阪市域である矢田村や南百済村、田辺村、北百済村、天王寺村を通過するということが記されています。　
　各村の村誌には、村内の下高野街道の道筋についての記述があります。『東成郡誌』*2の「天王寺村」の項や『天王寺村誌』*3の記述によると、「大阪市南区大道三丁目で奈良街道より分岐し、天王寺師範学校の東を迂回し、城東鉄道線と交差して本村大字天王寺字河堀口に入り、南行して田辺町に入る」と記されています。『天王寺村誌』には(府道天王寺鶴橋線及関茶屋天王寺線)とも付記しています。『田辺町誌』*4には「大阪関茶屋線(下高野街道)」と題し、その道筋は「本街道は北方北百済村界より大字北田辺に入り南進して大字南田辺を通り南方南百済村に至る。」と記されています。明治23(1890)年ごろに道幅を広げる改修工事があり、こののち下高野街道と呼ばれるようになったことが、両資料からわかります。大和川にかかる橋の名も「下高野橋」です*5。大正9(1920)年には郡道に編入し大阪東線に、さらに大正12(1923)年府道に変更し大阪関茶屋線と称すようになりました。
　『街道の日本史33 大坂』*6や『大阪の街道と道標:改訂版』*7、『大阪市の旧街道と坂道：増補再版』*8にも下高野街道は取り上げられ、後者2冊は地図も付けられています。
参考文献*1 『大阪府史 4巻 中世編 2』大阪府史編集専門委員会1981 書誌ID 0000356137 p1196
*2 『東成郡誌　上巻』東成郡役所編 名著出版 1972 書誌ID 0070093555 p.360
*3 『天王寺村誌』大阪府東成郡天王寺村編 新和出版社 1976 書誌ID 0000357759 p.35
*4 『田辺町誌』大阪府東成郡田辺町編 大阪府東成郡田辺町役場 1925 書誌ID 0070109957 p.17
*5『みんなのまち･矢田　第２集』「矢田のまちづくり記念誌」編集委員会編集　東住吉矢田中住宅地区改良まちづくり協議会 2007 書誌ID 0011808222ｐ.73
*6『街道の日本史33　大坂』吉川弘文館 2006 書誌ID:0011233779 p.34
*7 『大阪の街道と道標：改訂版』武藤善一郎著 1999 書誌ID:0000780641 p.124〜126
*8 『大阪市の旧街道と坂道：増補再版』旧街道等調査委員会編 大阪市土木技術協会 1987 資料ID 0000250661 p.147〜156
東住吉区
交通
記入者:おおさか資料室管理者

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