2010(平成22)年1月に解散した(財)人形浄瑠璃因協会と、故人の関係者から寄贈された、浄瑠璃の詞章を記した浄瑠璃本など、幕末から昭和期まで活躍された名人が残した蔵書で、主に天保頃から明治にかけての資料群です。本人が三味線譜を書き入れたものや、引き継いできたものなど、貴重な資料を多く収めています。
鶴澤清六遺文庫
明治・大正期に浄瑠璃三味線方で活躍し、一世の名手と謳われた三代目清六の遺文庫です。547点、549冊。1960(昭和35)年11月人形浄瑠璃因協会へ寄贈。1965(昭和40)年3月大阪市立中央図書館へ寄託。2010(平成22)年1月人形浄瑠璃因協会解散につき、大阪市立中央図書館へ寄贈となりました。1967(昭和42)年3月刊行の目録があります。
鶴澤綱造遺文庫
明治~昭和期に浄瑠璃三味線方で活躍した四代目綱造の遺文庫です。203点、204冊。1958(昭和33)年5月人形浄瑠璃因協会へ寄贈。1965(昭和40)年3月大阪市立中央図書館へ寄託。2010(平成22)年1月人形浄瑠璃因協会解散につき、大阪市立中央図書館へ寄贈となりました。1967(昭和42)年3月刊行の目録があります。
竹本弥太夫遺文庫
明治期に活躍した義太夫節の大夫で、後の名人らを育てて「堀江の大師匠」とも呼ばれた五代目彌太夫の遺文庫です。246点、246冊。1962(昭和37)年6月人形浄瑠璃因協会へ寄贈。1965(昭和40)年3月大阪市立中央図書館へ寄託。平成22年1月人形浄瑠璃因協会解散につき、大阪市立中央図書館へ寄贈となりました。1967(昭和42)年3月刊行の目録があります。
野澤吉兵衛遺文庫
幕末・明治期に浄瑠璃三味線方で活躍した五代目吉兵衛の遺文庫です。306点、308冊。保管をしていた二代目野澤喜左衛門氏の遺志により、1977(昭和52)年7月寄贈。1981(昭和56)年7月刊行の目録があります。
初代豊澤松太郎旧蔵書
明治~昭和初期に活躍した浄瑠璃三味線方で、古い稀曲に通じていたと言われる初代松太郎の遺稿2冊です。人形浄瑠璃因協会から寄託。2010(平成22)年1月人形浄瑠璃因協会解散につき、大阪市立中央図書館へ寄贈となりました。1947(昭和49)年刊行の目録と、1981(昭和56)年7月刊行の目録(再録)があります。
四代目鶴澤清六旧蔵書
明治~昭和期に浄瑠璃三味線方で活躍し、1955(昭和30)年には重要無形文化財保持者に認定された四代目清六の旧蔵書70冊です。故人令室よりまず65冊の寄贈があり、1976(昭和51)年に5冊追加の寄贈がありました。1974(昭和49)年刊行の目録と、追加寄贈分を増補した1981(昭和56)年7月刊行の目録があります。